「こんな感じ」のバットマンムービーも必要だったと思ったので満足した映画
評価「★★★★☆」
<解説> クリストファー・ノーランが手がけた「ダークナイト」トリロジーなどで知られる人気キャラクターのバットマンを主役に描くサスペンスアクション。青年ブルース・ウェインがバットマンになろうとしていく姿と、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによってブルースの人間としての本性がむき出しにされていく様を描く。両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、悪と敵対する「バットマン」になろうとしている。ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察や優秀な探偵でもあるブルースを挑発する。やがて政府の陰謀やブルースの過去、彼の父親が犯した罪が暴かれていくが……。「TENET テネット」のロバート・パティンソンが新たにブルース・ウェイン/バットマンを演じ、「猿の惑星:新世紀(ライジング)」「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」のマット・リーブス監督がメガホンをとった。 2022年製作/176分/G/アメリカ 原題:The Batman 配給:ワーナー・ブラザース映画 (https://eiga.com/movie/92523/)
バットマンになって2年目になったブルース・ウェインの映画。
どんなことをやっても2年目になると、誰もが「これでいいのか?」「今までちゃんとやってきたか?」などの疑問を持つようになり、バットマンも同じ疑問を持っている状態で映画が始まる。
だからと言ってここで止まったら、バットマンが守ってきたゴッサム・シティはどうなる?
止まる訳にはいかない!
…のような感じで映画は最初から最後までバットマンの「ブルース・ウェイン」の心境に注目している。
すべての出来事がバットマン中心であり、物事の見方もバットマン中心なので
「オレがバットマンならこうするかも!」という感情移入の体験が可能な作品だった。
バットマンをずっと知っていた人々が求める「ダークな雰囲気のバットマンムービー」も十分に味わえるし、
そもそもバットマンのアメコミが大好きな「マット・リーブス」監督は、ファンとしてこの映画を製作したのではないか?とも考えてしまう。
ペンギン、リドラー、キャットウーマン、アルフレッド、ゴードンなど
今まで見てきたバットマンのキャラクターたちもバットマンと同じく「自分の役を始めたばかり」の状態だった。
全3部作の1作目に過ぎない今回の映画では全キャラクターがスタートラインに立っている状態で映画は終わったが、今後の活躍も期待できる「始まり」だった。
ではここからはこの映画の良かったところ、残念だったところ
<Very Good> ・アクションとカーチェイスシーンが印象的 ・かっこいいヒーローではなく「コウモリコスプレをした変人」というリアルさを表現 ・全体的に暗いスクリーンでも大事な部分は綺麗に見せる ・不安定な状態の若きブルース・ウェインの演技はGood ・登場人物が多くも少なくもない。バランス良い <Not Enough> ・映画内のOSTに似ている曲が多すぎる。1曲作ってパターンだけ変えた感じ ・個人的にヴィランの結末が微妙 ・制作中のスピンオフドラマを見ないと理解できない要素が思ったよりある ・ヴィランに関する説明が少なすぎる ・バットマンのアメコミを読んだ人は予想できる部分が結構あったのでもう一押し欲しかった
結論:今後は落ち着いたキャラクターも登場させると良いかも。映画終わった後に疲れを感じてしまった